高尚ぶる、

小説も書いてるから読んでね ピース

25m

 

 

 

わすれることは恐ろしいこと。好きだったひとの顔も思い出せなくなるけれど、そのときの多幸感だけおぼえているのは 足のつかないプールにいつまでも浮いているのと変わらないことだと思う。浮いている間はたのしいけれど、足がつかないということに気付いた瞬間 恐ろしくてたまらなくなる。わたしは、いま。プールのどの辺りに立っているだろう。

 


好きなおとこの、現代文の朗読が聞きたかった。きみの声で、瑞々しい文章を耳から詰め込めたら。どんなに良いだろう。高校生の頃から、あの頃居もしなかった好きな男の現代文の朗読を、待ちわびていた。いつか、聞きたいと思う。聞けないだろうけれど、聞きたいと、思う。誰の声だろうかは、分からないふりをしている。だれの、声だろうか。

 


洗濯物が回っている。窓を開けると、烏が飛んでいるのが見えた。この辺には鳩がいない。平和ではないからだろうか。いつも水面下で誰かが誰かを見下して、そうし合って、形を保っている。疲れたらぼろぼろと 水に溶ける。

 


美容院でシャンプーされているときには、『死』とか『宇宙』について考えることにしている。知識は無い。今日は、なんにも考えられなかった。お湯が頭皮に当たる感覚だけ、どこか遠くでみつめているような心地。くるりが一生かかっている美容院。「ハイウェイ」.「I Love You」.「ワンダーフォーゲル」。「琥珀色の街、上海蟹の朝」がかかった辺りで席を立つ。ちょうど良かった と思った。すっきりした襟足を撫でながら、音楽アプリに「くるり」と打ち込む。聴くのは、ひとりで良い。

 


電車がすき。小銭を払えば、何キロもぐんぐん景色を追い抜かしながら走ってくれる。窓のそとを一生見ていたいたちだったけれど、去年の冬くらいから辞めてしまった。いまこの文章も、電車のなかで書いているし。ふ、と 窓を覗くと、やっぱりすごい速さで 山や建物を追い越してゆくのだった。

 


わたしのこと も 追い越して す すむ

無論、き みの こと    も  。

 

 

 

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