高尚ぶる、

小説も書いてるから読んでね ピース

あまい

 

 

 

卵焼きを歯で押し潰すと、どんどん形が崩れていくのがわかった。こわれるものが好きだ。山に登ると、船に乗ると。携帯を投げたくなる。落とすのが怖いから。エアコンは28度で付けっぱなしにしている。きみが好きだと言っていたから、あの料理はもう二度と作らない。冷蔵庫のなかのニュー・ピオーネ。データホルダから完全に消した、きみが撮った写真。ねえ。どうですか、わたしのことを思い出して、蹲ったり。してくれていますか。

 

映画を1本見きれない時期と、3本くらいぶっ続けで見れる時期がある。別になにがあったわけでも、あるわけでもないが。冷蔵庫のなかのニュー・ピオーネ。やけにこの文章を気に入っていたので少しずつ食べることにします。

人生はどうやら冒険らしい。ひょろっこくていつまでも涼しい顔をしていると思っていた男が、暑さに顔を歪めていた。そもそもマスクをしている時点で涼しいわけがないのだ。汗が背中を伝う。眠たい眼をこするのを躊躇うとき、なにを考えていたの。髪を切ったのを、似合っているね。と言ってくれた。どうということもない。やけに顔が近い教室。思っていなくても、なんだって言えるもの。でもやっぱり信じていた。いちばん近くに居るって思い込んで、また部屋に逃げ込んでは泣いている。

名前を呼んでくれる回数を数える。それでも嬉しかったのは本当だった。ポケットのなかには、なにが入っていた? もうわたしは眠たくなっていて。クロール、想像をする間。水に沈みたい。髪を切った理由は正直特に無いけれど、似ている似ているとなんとなく言われていた女から少しでも遠ざかりたかったからだった。だのに。わからない。

だいたい自分が気に入ったことは他人に踏みつぶされるのがセオリー。本当に?

窓の外からバイクが揺れる音がする。灰皿を隠すために、何故か冷凍庫に入れた。吸わない煙草は人にぶっつけて、わたしは透明な水を飲みます。さよなら。おやすみ、またあした。

 

 

 

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