酔生夢死
ティラミスって、「わたしを天国に連れていって」って意味があるらしい。いつか、ひとをケーキに例えたら? みたいな話から、好きなひとに「チーズタルトっぽいね」と言われたのを思い出して、チーズタルトで画像検索をかけた流れで知る。ケーキにフォークを入れる感覚は、他の言葉では言い表せないとなにかが、あるよね。気持ち良いことだよね、とっても。とはいえ、いつまでもそんなことはしていられなくって、ケーキみたいに甘い時間はそうそう訪れない。よるが長いと、たくさん寝ころべるから良いよね。せつないっていうのは、意外と甘いものなのかもしれない。
本棚が切迫してきたなあ、とぼんやり思う。入らなくなった本が積まれている。いつも本棚をバリケードみたいにして、隠れてみたり、蹲って泣いてみたり。寄り掛かって本を読んでみたりしている。壊れない椅子。ひとりじゃ作れないものは、もう買えない。ままごとみたいな生活、よりもずっと現実的なところにある生活を指でなぞって、あぶれた本たちをどうやって収納するか。考え込んだふりを続けている。
揚げ物ってしたくない。残った油をどうすれば良いんだか、知らないから。好きなひとは揚げ物とかするんだろうか、と考えて 誰と食べるんだろうか に行き着く前に深呼吸をする。考えたくないことは、考えないほうがいいです。目玉焼きを両面焼いてカリカリにして、まだ固いアボカドを潰して、焼いただけの鶏肉をパンに挟んで、サンドイッチにした。ひとりで食べるつもりなんてなかったんだけどな、と。誰とも話していないメッセージアプリを閉じる。美味しいものって、食べている途中はずっと幸せにしてくれることが多いから良い。たまにいろいろ考えて、ぼろぼろ涙を溢してしまうけど。
好きなグラビア・アイドルが同い年だと知る。男のひとがグラビアをどんな目線で見るのか知りたい、と思いながら生きている。ぼんやりする。生きていると。ぼんやりしていないと、やり過ごせない時期がある。たとえば、いまわたしが過ごしているみたいな期間とか。限りなく、いつも通りのところからわたしのいまを見下ろしたら、たぶん 四六時中涙が止まらなくなってしまうんだろうな、となんとなく察しているから。さいきんは、「ぼんやり」することに ただ、尽力している。画面のなかの豊満な胸。でもわたしがだいたい目線を落とすのは、彼女の瞳。ずっとずっと、黒くて 湿っていて、真っ直ぐなにかを見下ろすのか見据えるのか。分からないけれど、そんな彼女のことを見ると、たまにひどく安心する。
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